こひつじの園ランチカフェ

2020.2.29㈯ 大名クロスガーデンにて

その日はNPO法人ぷかぷかの高崎明さんとピアニストの方に来て頂いて、映画を見たり、ワークショップをしたり、お茶したりしながら、わいわいがやがやと語り合う、、、予定でした。こひつじの園ランチカフェのスタッフをはじめ、フリースクールの子ども達や様々な立場の方々が参加を予定して下さっていましたが、コロナウィルス感染拡大を懸念しての延期となってしまいました。残念でしたが、すべての方が不安に思わなくていい時期に改めて、のびのびと開催させて頂くことにし、高崎さんには了解を取りつけました😉

万が一来られた方がいらっしゃては、と、今回の主催となる”こひつじの園ランチカフェ”言いだっしぺの平良民枝さん、他スタッフ1名と一緒に大名クロスガーデンにて待機、、、のつもりが、とにかくお喋りして、ぷかぷかさんの映画を見て、お茶して、と、ちゃっかりいい時間を過ごさせて頂きました。

そこに朝日新聞の記者さんが、平良さんに”こひつじの園ランチカフェ”についての取材に来られました。
「ランチカフェを始めて、『目からうろこ』のことがいっぱいだったのよ」、と平良さん。そのお話のほんの一部ですが、紹介させて頂きたいと思います。

ランチカフェのひとこま

牧師夫人である平良民枝さんですが、一見そうは見えない風貌雰囲気😅教会をもっと地域に開かれたものにしたい、と、保育や知育や障害を持っている人たちのグループとのかかわりを大切にされ、教会にはすでに様々な方々の出入りがありました。
そんな中、「子ども食堂」みたいなことしたいなあ、と思われてはじめられたランチカフェには、老若男女、ごちゃごちゃとたくさんの人が集い始めました。(※1)

障がいを持っている人の参加も多いランチカフェ。そこでスタッフをされているお母さまが息子さんを連れて来られた時のこと。
息子さんは進学校に通っていて、障がいを持っている方とのかかわり方もしっかり勉強しているから僕は大丈夫!と参加されたそうです。ランチの時間になって、それぞれが自分の皿を持って座り、「頂きます」を待っていると、同じテーブルの子どもがいきなり食べ始めました。そしてなんとその親まで一緒に美味しそうに食べ始めたではありませんか!それを見て愕然とした彼は、その時「ここは僕の来るところではない。早く帰りたい!」と思ったそうです。その後、大きな声が出たり、物が飛んだりする中で、それぞれが思い思いに過ごす様子を傍から見ていた彼は、帰りの車の中では、母親にこんなことを言ったというのです。
「本当はあの人たちの方が正しかったのかもしれない。あの人たちが食べているとき、ランチからは湯気が出ていてほかほかだった。本当においしそうに食べていた。僕が食べるときは冷え切っていて、あまり味わえなかった。」(※2)「僕はいろいろ気になって落ち着かなかった。彼らはこの時間を楽しんでいた。」
それを聞いて民枝さんは、その子がそのように受け止めることができた感性が素晴らしい!と思ったそうです。そして、頭で《理解》するだけでなく、こうやって《感じる》機会がもっと大切なのよね、と思ったと。
更にそのお母様自身も、「私は息子の学校のPTA役員として学校にいるときは、皆がきちんとしていないと気が済まなかったの。でも、ここに来ると、ほんわかと、いろんなことを許せる自分がいたのに気付いたのよね。『私って優しいところがあるのね』と思えたの。」と言われたそうです。この空間がこのお母さんの優しさを引き出したと思うと素晴らしいよね、やっぱり”ごちゃまぜ”って大事よね、と民枝さんはインタビューで答えられてました。
f:id:zosanzosan:20200206011902j:plain

ごちゃまぜが普通になると豊かになる!?

私も今特別支援学校にいて、「大変ですね」とか言われるんだけど、何が大変かというと、彼らを《ねばならぬ》に当てはめようとすると、それが大変なのであって、本人たちにもかなりのストレスで大変だと思うのです。その辺をとっぱらって、彼らの素直な感性や、ありのままの行動をもっと尊重して、そこからスタートして一緒に生きることを考えた方が、私たちは豊かになれるのではないかと、こひつじの園ランチカフェで過ごしてて益々思うようになりました。まわりの空気を読んで、忖度しながら生きている私たちの方が、もっと不自由で息苦しい世界にいる気がするのです。ごちゃまぜの中でこそ風通しがよくなって、ぶつかったりもしながらも本音で付き合える関係を築いていくことができる、心から笑顔で居られる安心感が得られるのではないかと思うのでした。

(※1)ランチカフェは、平尾の教会で行われています。
(※2)その後、一斉に「いただきます」は、なくなりました😅